映画

全力疾走の45分間「銀河特急 ミルキー☆サブウェイ 各駅停車劇場行き」レビュー

4.0
銀河特急 ミルキー☆サブウェイ 各駅停車劇場行き 映画
画像引用元:(C)亀山陽平/タイタン工業
スポンサーリンク

評価 ★★★★☆(75点) 全46分

あらすじ 銀河道路交通法違反で逮捕された強化人間のチハルとサイボーグのマキナ、同じタイミングで警察に捕まった強化人間のアカネとカナタ、サイボーグのカートとマックス。 引用- Wikipedia

全力疾走の45分間

本作品は銀河特急ミルキー☆サブウェイ の劇場アニメ作品。
監督は亀山陽平、制作はシンエイ動画。

映画

本作品の放送時はとんでもない話題作となった。
YouTubeなどの動画サイトでもショート動画がバズりまくっており、
短編アニメとしては異例のヒットといえるだろう。
そんなヒットから約半年の時間が経過し、映画が制作されることになった。

といっても一部の方は勘違いしてしまっているようだが、
「続編」ではなく、あくまでも劇場で本作品を公開するという
形に近い、総集編ではないものの、総集編映画に近い感じだ。

元々1話3分半ほどの作品であり、1クール全12話。
それをつなげた形になっており、映画としては45分もない。
特別料金という形で通常より安い料金で上映されているが、
いまのところ4億を超える大ヒットとなっている。

小規模での公開ではあるものの、その小規模さを感じさせない
圧倒的な着席率と興行収入は凄まじいインパクトを残している。

引き

この作品は配信やTVアニメで見ると各話の引きが非常にうまい作品だった。
毎話いいところで話が終わり、タイトルや「つづく」と同時に
「あいつなんかあいつなんか」とあの曲が流れる。
強烈な曲の印象を残す引きはこの作品の象徴でもあった。

ただ、映画ではそれができない。
ただつなげただけの作品ならば可能だが、この作品はきちんと
「映画」として1本の作品にしょうとしており、
TVアニメや配信などではあった各話の引きをやっておらず、
そのかわりに「映画」オリジナルシーンを追加している。

この映画では二人のキャラが新キャラとして登場している。
銀河特急ミルキー☆サブウェイは軽犯罪を犯したメインキャラ達が
奉仕活動としてミルキーサブウェイを清掃し、
その奉仕活動の最中に突然、ミルキーサブウェイが動き出すという
物語であり、基本的に軽犯罪者たちの物語になっていた。

しかし、この映画では各話の引きの代わりに
「警察」側の視点を入れている。
本編でも巡査である「リョーコ」というキャラの印象は残っていると思うが、
彼女の出番は本編では少なかった。

映画では彼女を中心に彼女の上司や部下を登場させることで
物語に厚みが生まれている

新キャラ

この追加シーンが非常に秀逸だ。
メインキャラ達のミルキーサブウェイの中だけの視点ではなく、
リョーコを中心とした外部のキャラから見た事件、
彼女が同時になにをしていたのか?という事情を描くことで、
リョーコというキャラにも厚みが生まれ、作品にも厚みが生まれている。

各話の引き、あの曲を何度も流すというやり方をあえて捨てたことで、
映画としての各話のつなぎがうまくうまれており、
45分ではあるが、1本の映画としての満足感を感じられる。

この新規シーンは非常にうまい。
各話でのキャラの行動やセリフに更に重ねることで、
笑いが強くなり、よりリズムカルにストーリーが描かれている。
映画として息を吸う暇も与えないほど詰め込みまくったストーリー構成が
生まれていることで最初から最後まで全力疾走だ。

2度目

この映画でミルキーサブウェイという作品を初めて見るという
人もいるかも知れないが、多くの人が配信やTVアニメで見た上で
この映画を見ていることだろう。
多くの人がミルキーサブウェイという作品を2周以上することになる。

先を知ってるからこそ、結末を知ってるからこそ、
序盤での細かい伏線やシーンを楽しむことができ、思わずニヤニヤしてしまう。
放送から半年たっているというリアルな時間経過も程よく、
適度に内容が記憶から薄れている段階で改めて集中して映画として
この作品を見ることで、よりミルキーサブウェイという作品に深く浸れる。

同じ作品を2回見る、そんな2回目も1回目と同じく、
いやそれ以上に楽しむことが出来る。
巨大なスクリーン、大迫力のスピーカーでこの作品に浸ることで、
よりミルキーサブウェイという作品を楽しめるようになっていた。

総評:これは1本の映画だ

全体的に見て1本の映画として素晴らしいものになっていた。
TVアニメや配信ではあった各話の引きの代わりに
オリジナルキャラを追加しうたシーンを足すことによって、
息継ぎさせないストーリー構成になっており、
45分間、全力疾走をしているかのような作品だ。

本当にあっというまに映画が終わってしまう。
通常の映画の尺の半分しかないというのは事実ではあるものの、
途中でダレることが一切無く、2回目だからこその面白さ、
映画で追加されたシーンの素晴らしさもあいまって、
ミルキーサブウェイという作品をより深く、より楽しめる。

映画としての起承転結もすっきりしており、
より面白くなったミルキーサブウェイを映画として楽しめる、
そんな印象を受ける作品だった。

個人的な感想:異例のヒット

ほぼ個人制作な本作品が大ヒットしたことも異例だったが、
そこから半年で劇場公開、しかも興行収入は4億を超えているというのは
かなりの異常事態だ。業界側も亀山監督を放っておかないだろう。

亀山監督の次回作がいつになるかわからないうえに、
ハードルも上がりまくっている感じもあるが、
次回作を楽しみにしたいところだ。

「銀河特急 ミルキー☆サブウェイ 各駅停車劇場行き」に似てるアニメレビュー