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「浦和の調ちゃん」レビュー

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評価 ☆☆☆☆☆(5点) 全12話

アニメ『浦和の調ちゃん』公式PV

あらすじ さいたま市の浦和地区を舞台にした、女子高生8人の日常を描いたオリジナルアニメ作品引用- Wikipedia

飛ばない埼玉

本作品はアニメオリジナル作品。
監督はイシバシミツユキ、脚本は花村悠一郎

タイトル

この作品のタイトルを初見で正式に読める人はおそらくは居ない。
なにせ「調」はうさぎと読む。
浦和のしらべちゃんでも、浦和のちょうちゃんでもなく、
浦和の「うさぎ」ちゃんだ。
ただ、これは正式な読み方ではないようで、
いわゆる「DQNネーム」「キラキラネーム」的な感じだ。

浦和にある「調(つき)神社」という神社から名前をあやかっているらしく、
この調神社には狛犬ならぬ「狛兎」のようなものがある。
「調(つき)神社」から「月」を連想し、うさぎを神の使いとしている。
その連想から色々なうさぎの像などが神社にはあるらしく、
そこに更にあやかってヒロインの名前を「つき」ではなく、
「うさぎ」と強引に読ませている。もはや連想ゲームだ。

強引

内容自体もかなり強引だ。
「公益財団法人さいたま市産業創造財団」が支援した作品らしく、
分かりやすく浦和を強引に宣伝している。
例えば1話のヒロインのセリフでこんなのがある。

「季節が1つ変わるだけで、街やみんなの姿がいつもと違って見え、
なんだかワクワクさせてくれる。」

ここまではいい。この後のセリフが問題だ

「そんな浦和が大好きなんだ!」

どうだろうか(苦笑)
セリフに無理があることが文章からも伝わってくるはずだ。
浦和だからこそ、浦和らしい特徴を言ってくれるならば納得できるが、
四季のある日本ならば浦和でなくともどこも同じのはずだ。

この作品に出て来る「浦和age」なセリフの数々は
浦和でなくとも問題がない場合が多すぎるうえ、
強引にぶっこんでくるからたちが悪い。
もう少し自然に、もう少し控えめに浦和という街の魅力を伝えてくれるならば、
ここまでの嫌悪感は感じないかもしれないが、
流石にここまであざとい「浦和age」の数々は鬱陶しさすら感じる。

日常

この作品はいわゆる日常アニメだ。
埼玉の浦和を舞台に8人のJKの日常が淡々と描かれている。
強いギャグ要素があるわけでも、セクシー要素があるわけでもない。
最近の日常アニメならば、そこにキャンプや釣りなどの要素が足されるが
この作品には特にそういった要素はない。

一応メインキャラクターたちは「鉄道部」に所属しているものの、
鉄道要素はほぼない。
埼玉の各地を電車で巡るわけでも、電車を撮りに行くわけでもなく、
鉄道部という名の放課後ティータイムが開催されている。

十万石まんじゅうが出てきたりしてお茶を楽しんで
毒にも薬にもならない会話を展開して終わる。
いわゆる「ご当地ネタ」的なものもあるため、
埼玉県民ならば伝わるネタもあるかもしれないが、
「八十亀ちゃんかんさつにっき」のように県民でなくとも伝わるようなネタはなく、
ひたすら内輪ネタが続くような感じだ。

特に酷いのが終盤のクイズだ。

「南浦和にあるつくねが有名な串焼き屋なみごろの店長の趣味は?」

埼玉県民でさえわからないようなネタを本気で
「面白い」と思ってやっている。

作画

キャラクターデザイン自体は非常に可愛らしく、
各キャラを担当している声優さんも埼玉県出身のかただけになっており、
そのあたりにはこだわりは感じるものの、
いかせていない感じが強い。

特に「背景」に関しては実写を加工したような感じになっており、
いわゆる聖地要素をこのあたりで出したかったのはわかるものの、
キャラクターの作画に対して背景が浮きまくっており、
見ていて違和感しかない。

メインキャラクターも8人と、1話5分のアニメではかなり多く、
一人ひとりのキャラクターの掘り下げが印象付けも弱い。
中盤以降になると中途半端に実写映像を挟み込む演出もあり、
キャラクターの作画と声優さん以外はかなり低予算で作られていることを
感じるシーンばかりだ。

総評:このアニメのタイトルを読めますか?

全体的に見て聖地アニメを作ろうとして失敗したアニメだ。
こういった聖地アニメを作ろうとして失敗するパターンはよくあるが、
この作品は分かりやすく失敗している。

一話まるまるかけて「十万石まんじゅう」の宣伝をしたり、
唐突に埼玉クイズを入れたり、
「アニメ」なのに露骨に実写映像を入れまくったりと、
わざとなんじゃないかと思うほど苛つかせる浦和ネタの数々になっており、
ギャグ的に入れている部分もあるが、尽く滑っているのでたちが悪い。

浦和ネタさえ無ければ「ゆるゆり」や「ゆゆ式」のような雰囲気もあり、
日常描写は毒にも薬にもならない感じではあるが、
キャラクターデザインと声優さんの演技のおかげで
日常アニメらしい魅力も垣間見えているだけに、
「浦和ネタ」がこの作品の魅力の全てを殺してしまっているのがもったいない作品だった。

個人的な感想:存在を…

今から6年前の作品で、こんな作品もあったな未満の
存在を忘れているレベルの作品だったが、
2022年になんと2期が決定し放送された。

紆余曲折あっての2期のようだが、
はたして1期からどのように変わっているのか、
いろいろな意味で楽しみだ。

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  1. 与野のひと より:

    動画の方で作品の存在を忘れていたとのことを仰ってましたが二期はある意味で一期よりかは間違い無く印象に残る作品に仕上がっているかと思います