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総勢40人以上の大混雑SP「名探偵コナン 30号殺人事件」レビュー

1.0
名探偵コナン 30号殺人事件 サスペンスアニメ一覧
画像引用元;:© 青山剛昌/小学館·読売テレビ·TMS 2026
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オタク歴25年、アニメレビュー歴13年、YouTube登録者11万人。 個人的な視点で語るアニメ批評です。

評価 ★☆☆☆☆(17点) 90分

30周年記念作品『名探偵コナン 30号殺人事件』江戸川コナン 出動PV

あらすじ 4月16日。世間は偉人の肖像ではなく東都タワーがデザインされた新一万円札の発行で持ち切りになっていた。そんな中コナンは、園子のコネで蘭や少年探偵団・阿笠博士と共に、日本紙幣印刷局の長野工場を見学に訪れる 引用- Wikipedia

総勢40人以上の大混雑SP

本作品は名探偵コナンのSP作品。
監督は鎌仲史陽、制作はトムス・エンタテイメント

新札

この作品はSP作品ではあるものの、状況自体は映画っぽさがすごい。
新しい1万円札のデザインが発表され、日本中が湧いており、
コナンたちは「造幣局」に訪れている。

自然に日本の紙幣の知識を描きつつ、
東京では「殺人事件」が起こり、
被害者の靴の中敷きから新たに発行された1万円の「偽札」が
見つかるというところから物語が動き出す。

偽札事件という日本中を巻き込む壮大な事件。
SP作品ではあるものの、「映画」らしい壮大さをしっかりと感じさせてくれる。

冒頭から期待感はあるものの、「園子」のコネとはいえ、
普通の小学生であるコナンたちが造幣局に見学に訪れるというのは
やや無理がある設定だ。
しかも、国家機密を小学生と高校生、老人に喋りまくっている(笑)

更に言えば、冒頭から毛利蘭が出ていることで複雑な感情も生まれる。
「山崎和佳奈」さんが亡くなり、「岡村明美」さんに変更されており、
やはり声の違和感というものは拭えない。
それがキャラクターそのものの違和感にもつながっており、
致し方ないことではあるものの、今後、慣れるまでに時間がかかりそうだ。

安室さんの声も変更されており、コナンの積み重ねた時間の長さを
悪い意味で感じてしまう。

探偵たちの鎮魂歌

この作品は『名探偵コナン』テレビアニメ放送30周年を
記念して製作されている。
それもあってなのか、どこか「探偵たちの鎮魂歌」を彷彿とさせる要素がある。
「探偵たちの鎮魂歌」は映画10作品目の作品として制作され、
全レギュラーメンバーがほぼ勢揃いしたオールスター作品として制作された。

この作品にもその要素がある。
ただ、アニメのコナンは30年の歴史があり、その30年で多くの
キャラクターが登場しすぎてしまった。
その全員を出すことは不可能に近い。
だからこそ、この作品は「警察関係者」をほぼ全員出すことを目的としている。
「探偵たちの鎮魂歌」を今やるからこその形だ。

ただ、警察関係者だけでもかなりの数がいるせいか、
キャラクターが新たに出るたびに「名前」がテロップでかなり大きく出てくる。
あの服部平次ですらテロップが出るのは斬新だ。

偽札が殺人事件の被害者だけでなく、街中に広まりだし、
公安や警察、FBIが動きだし、大阪の服部平次とも協力し、
コナンも捜査に乗り出す。
偽札を作ったのは誰なのか、造幣局の職員の関与も疑われ……
話が進めば進むほど、日本中を巻き込む壮大なものになっていく。

物語自体は壮大だが、キャラクターの多さのせいか場面転換が多く、
かなり慌ただしい感じが強い。
多くのキャラクターを出すということが目的になっており、
その目的のための手段が目に見えて作品に出てしまっている。

捜査

全国の警察が捜査する中で、コナンたちも捜査する。
捜査自体は事件の流れを追いつつ、新たな被害者が出たりするものの、
「アクションシーン」がないせいか、かなり地味な感じになっており、
どうにも盛り上がりに欠け、中盤はかなり淡々としてしまっている。

コナンと蘭、平次と和葉のラブロマンス要素なども少しあるものの、
あくまでスパイス的なものでしかなく、
毛利蘭も老人に依頼されて捜査をしているが、
それもあまり効果的に作用していない。

事件の犯人自体も「そうだろうなー」というような人物でしかなく、意外性がない。
ただ、動機自体は非常にコナンらしい。
造幣局の新札の版を作る仕事をしており、
彼は新札に「息子の名前」を仕込んでおり、それがバレてクビになっている(笑)
逆恨みのスケールだけは劇場版級だ。

非常にコナン映画らしい動機ではあるものの、
彼がどうして犯行を犯したのかというのが犯人からしか明かされず、
作品の中でコナンが捜査の中で明らかにするわけでもなく、
伏線らしい伏線があるわけでもない。
ストーリーの弱さを感じてしまう。

爆破

そりゃそうなるだろという理由でクビになり、
自分のデザインが採用されなかったせいで、
今回の犯行に及んだ犯人は、挙げ句の果てに造幣局に爆弾を仕掛けている(笑)

その爆弾のせいで毛利蘭たちがピンチになるという
お約束の展開はあるものの、爆破自体もしょぼく、
展開もかなりあっさりしてしまっている。

壮大な事件の割には地味な感じで終わってしまっているのは残念であり、
色々と物足りない作品だった。

総評:探偵たちの鎮魂歌よ、もう1度

全体的に見て、やりたいことはわかるが、
そのやりたいことに振り回されてしまっているような作品だ。
20年前にやった「探偵たちの鎮魂歌」を今やるならば、
こういう形でやるしかないのはわかるが、
さすがにキャラクター数が多すぎて、その結果、話が薄くなっている。

日本中を巻き込む「偽札事件」という題材自体は面白いが、
殺人事件が2回あっても盛り上がりに欠け、
あとは淡々と捜査しながら警察関係者を淡々と出している感じが強く、
終盤に爆破の展開はあるものの、そこで盛り上がるわけでもない。

あくまでTVSPと考えればこのぐらいが妥当なのかもしれないが、
30周年記念というお題目を掲げる割には、
それにふさわしい作品であったかは疑問だ。

TVSPではあるものの芸能人声優も出ているが、
そんな芸能人声優のキャラクターがしっかりと活かされるわけもなく、
結局、警察関係者をなるべく多く出すという目的に
振り回されてしまった作品だった。

個人的な感想:キャラクター

今作は毛利蘭役の声優交代もあるが、
全体的に妙に違和感を感じるキャラ描写が多かった。
平次のデートが事件捜査で中止になり、それを謝るコナンだったり、
ところどころ変な引っ掛かりが生まれるようなシーンが多い。

毛利小五郎にしても、金にがめついところはあるものの、
偽札事件でタンス貯金を奪われたおばあさんの依頼で、
タンス貯金を取り戻したら1割の成功報酬がもらえるということで、
そのがめつさがかなり強調されてしまった感もある。

キャラクター数がかなり多かったせいで、
結果的に一人ひとりのキャラ描写がブレてしまったような印象だ。

キャラクターを大量に出すためには、一人ひとりに割ける尺は当然短くなる。
その結果、「小五郎なら金にがめつい」「平次なら和葉とのラブコメ」と、
キャラクターの分かりやすい部分だけを強調して動かすことになる。
だからこそ、知っているキャラクターなのに、
どこか知らないキャラクターのような違和感が残る。

映画並みのクオリティを求めるのはお門違いではあるものの、
色々と目的と手段がズレてしまった印象を受ける作品だった。

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