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カワバンガ!!「ミュータント・タートルズ ミュータント・パニック!」レビュー

ミュータント・タートルズ ミュータント・パニック! 映画
ミュータント・タートルズ ミュータント・パニック!
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評価 ★★★★☆(76点) 全100分

映画『ミュータント・タートルズ:ミュータント・パニック!』予告3<日本語吹替版本予告>|9月22日(金)全国公開

あらすじ 4匹の亀は、動物を人間のような姿に変えるミュータンジェンの力によってタートルズに変身してしまう。タートルズは下水道の中で、同じくミュータンジェンによって変身したネズミであるスプリンターと出会う。 引用- Wikipedia

カワバンガ!!

本作品はティーンエイジ・ミュータント・ニンジャ・タートルズの
アニメ映画化作品。
監督はジェフ・ロウ、制作はポイント・グレイ・ピクチャーズ、
ニコロデオン・ムービーズ

忍者な亀

ミュータント・タートルズは何度かアニメ化されており、
日本でも放送されている作品だ。
1987年版、2003年版、2012年版と時代の波を乗り越えながら、
忍者な亀な彼らを知っている人も多くいるはずだ。

個人的には1987年版を子供の頃に何度か見ており、
ゲームもプレイしたことがある。
懐かしの彼らがフルCGで映画化されるときいて、
多くのミュータントタートルズファンが期待したはずだ。

亀のミュータントで、しかも忍者。
設定てんこ盛りだが、この作品はどストレートな
アメコミヒーロー者に仕上げてある。

ミュータント・タートルズのことが知らない人でも安心してほしい。
この作品はリブート作品であり、映画自体も
彼らがどうして生まれたのか?という物語の始まりから
きちんと描かれている。

ミュータント・タートルズを知ってるひとも知らないひとも、
この作品を楽しめるように仕上げている。

フルCG

ミュータント・タートルズは実写映画化もされたが、
本作品はフルCGの作品だ。
そんなCGの魅力を冒頭から余すことなく感じさせてくれる。

いかにもなCG感のあるCGではない、
海外の、ディズニーやピクサー映画のようなフィギュア的な
アニメCGではなく、この作品は「アメコミ」そのものだ。

どちらかといえば「スパイダーマン・スパイダーバース」に近い、
アメコミのフルカラーの絵をそのまま動かしているようなアニメーションは
見るアメコミと言っても過言ではないほど洗練されたものになっている。

スパイダーバースでもこの手法には驚かされた、
文字演出やページを捲るような演出がスパイダーバースにはあったが、
この作品はスパイダーバースは少し違い、
「手書き」のアメコミの絵のテイストをそのまま落とし込んでいる。

例えば「建造物」なんかがわかりやすい。
特に「橋」などは普通はCGで描けばまっすぐに直線的な構造物だ、
しかし、この作品はあえて手で描いたかのような「歪み」がそこにある。
手書きによる線の歪みをCGに取り込むことで、
それがより、CGでありながら手書きの作画のような「温かみ」のようなものを感じる。

CGは完璧すぎることが逆に欠点でも有る。
モーションキャプチャーを利用したときに、
アニメーションでは本来は省かれる余計な動きまで取り込んでしまうことで、
それが画面に違和感を生むことが多い。

しかし、この作品は本来ならCGというものでは生まれないはずの
「手書き」の歪みをわざと意図して取り込むことで、
CGなのにCGに感じさせない手書きの味わいのようなものを感じさせてくれる。

ライティングなど光の演出もまるでアメコミや日本の漫画のような
斜線を取り入れることで、本当に1つ1つ手でGペンかなにかで
描いたかのような線が生まれ、それが独特の絵の面白さを産んでいる。

作品全体で妥協なく、その手法が取り込まれており、
この作品だからこそ、この作品でしか味わえないCGアニメーションの
面白さを作品全体で感じることができる作品だ。

タートルズ

タートルズは本当に愛くるしい存在だ。
とある科学者の実験による薬が下水に流れ込んだ結果、
そこに居た小さな亀たちが浴びてしまい、
彼らと、彼らの父代わりの「ネズミ」がミュータントになってしまい、
人のように二足歩行になり、人のように知能を持つことになる。

彼らは過去の経験から人間の前に決して姿を表さない。
「ミュータント」という存在は人間世界からすれば異質そのものだ、
捕まって実験動物にされてしまうかもしれない、
命すら脅かされるかもしれない。
そんな不安のあるネズミな父は彼らを決して人間の前に出さないようにしている。

だが、タートルズはまだ「ティーンエイジャー」だ。
10代の男の子らしく、色々なものに興味がある。
ゲームに、音楽に、友人に、そして異性に。
見た目は亀ではあるものの、彼らの心そのものは10代の
人間の男の子と変わらない。

だからこそ憧れが有る。
いつか自分たちが受け入れられて学校に通うことができるかもしれない。
だが、それは夢のまた夢だ。

序盤から一人ひとり丁寧にキャラクターを描写しており、
一人ひとりの印象がきちんと付くようになっている。
そんな中で彼らが出会うのが「エイプリル」だ。

エイプリル

この作品で1番の欠点というか、気になる部分がエイプリルだ。
ミュータントシリーズにおいて「エイプリル」という存在はヒロインだ。
大体が魅惑的な女性で、美人でスタイルがよく
タートルズの理解者という立ち位置で描かれている。

今作でも立ち位置自体は変わらない。
彼らととあるきっかけで出会い、彼らに助けてもらったことで、
彼らの理解者になってくれる。
タートルズにとっての初めての理解者であり、人間の友達だ。

彼女自信もタートルズと同じように人間社会ではみ出しものだ。
ちょっとした失敗から学校内で浮いた存在になっており、
そんな状況を見返そうとあがいている。
彼女のキャラクター描写自体は悪くないのだが、
問題は「キャラクターデザイン」だ(苦笑)

黒人であることはさして問題がない、
だが、決してナイスバディとはいえず、美少女でもない。
いわゆる「ポリコレ」に染まってしまっている。

レオナルドは彼女に一目惚れをし、素敵な女性だと連呼するのだが、
見ている側からすればとてもそういうふうには見えない。
亀の価値観と人間の価値観は違うとも捉えられるのだが、
あからさまに昨今の海外のポリコレ事情に染まってしまった
キャラクターデザインは最後まで違和感が凄まじかった。

ストーリー

ストーリーとしてはかなりベタだ。
アメコミ・ヒーローのもののスタートストーリーを丁寧に描いており、
ただの亀だった彼らが力を手に入れた経緯、
そして人間社会で生き抜くために「修行」をする光景が
コミカルに描いている。

忍者とはいっているものの、どちらかといえばカンフースタイルだ。
劇中でも実際にジャッキーチェンの映像が流れたりするが、
ニュアンスとしてはジャッキーチェン映画のようなアクションシーンが
非常に多い。
ヌンチャクを使い、状況に応じてそこにあるものを使いながら戦う様は
カンフー映画を見ているようなアクションの面白さが有る。

そしてヴィラン。今作の敵は彼らと同じミュータントだ。
最初に生まれたミュータントであり、自らの父の敵であり、
自分たちミュータントを虐げた「人間」そのものを彼は恨んでいる。

彼にも同じミュータントとの家族がいる、そんな家族のために、家族を守るために、
世界中の生物を「ミュータント化」しようと企んでいる。
同じミュータントでありながら、タートルズは人間と仲良くなりたいと思い、
ヴィランは人間を憎んでいる。

この王道の対立からの王道のストーリーがまっすぐに描かれており、
そこに「ミュータント・タートルズ」らしい
アメリカンジョークがふんだんに含まれている。

実名

作中で様々な作品のタイトルが出まくる。
進撃の巨人、マーベル作品、レミーのおいしいレストランetc….
ティーンエイジャーな彼らだからこそ、
同じティーンエイジャーが楽しむ映画やコンテンツを彼らも楽しんでいる。
だからこそ自然と会話の中で作品のタイトルが出てくる。

特に「進撃の巨人」は妙にフィーチャーされており、
今作のヴィランを倒すヒントにすらなっている(笑)
色々な作品のタイトルが比喩表現的に出てくるたびに思わず笑ってしまい、
同時にタートルズたちに自然と愛着をもててしまう。

ラストの展開もややご都合主義では有るものの、
最初から最後まであまり重いシリアスにはならずに、
まっすぐにミュータント・タートルズの活躍が描かれており、
ラストもほっこりとニヤニヤとしながら見終わることのできる作品だ。

エンドロールの最中には続編を匂わすようなシーンも有り、
続きを自然と「見たい」と感じさせるような、
王道の作品に仕上がっていた。

総評:これがアメコミアニメ映画だ!

全体的に見て素晴らしい作品だ。
ストーリー自体はTHE王道ではあるものの、
そこにミュータント・タートルズらしいアメリカンジョークや
ギャグをふんだんに盛り込むことで、軽快かつコミカルなストーリーが
テンポよく展開されており、最初から最後までクスクスと笑いながら
見れてしまう作品に仕上がっている。

そんなコミカルなストーリーをアニメーションという表現が盛り上げる。
アメコミをそのまま動かすような手法、手書きのテイストをあえて
盛り込むことで「CG」だからこその違和感を消し去っており、
どこかクレイアニメのようにも見える。

本来なら削るはずの「荒々しさ」というものをCGという
完璧な線で描かれるものに取り込むことで、違和感がきえ、逆に魅力が生まれている。
スパイダーバースも同じテイストではあるものの、
スパイダーバースとはまた違った映像表現がたまらない作品だ。

唯一期になる点といえば「エイプリル」のキャラクターデザインだが、
それが些細な問題で片付けられるほど、作品全体のクォリティが高く、
子供も大人も楽しめる作品に仕上がっていた。

個人的な感想:懐かしい

タートルズは子供の頃に見ていた作品だけあって
個人的に愛着のあるキャラクターだったが、
あの頃から30年以上の月日がたち、久しぶりに再開した幼馴染のように、
子供の頃と同じようにミュータント・タートルズという作品を
楽しめる作品だった。

そういった懐かしさはありつつも、
同時に先進的なアニメーションの表現が本当に秀逸な作品だ。
海外ならディズニーやピクサー、イルミネーション、
日本ならオレンジやサンジゲンが有名だが、
そのどれとも違うCGによるアニメーションの表現は本当に素晴らしかった。

もっと色々な作品を、そしてタートルズたちを、
この手法で描かれた作品をもっと見たいと感じさせるほど
新しい技術で描かれたアニメ映画をぜひ、劇場で味わっていただきたい

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