アニメコラム

【最悪を超えた不愉快】5月に見た個人的アニメ&実写ランキング【近況報告vol31】

アニメコラム
スポンサーリンク
笠希々のプロフィール画像
この記事を書いた人

オタク歴25年、アニメレビュー歴13年、YouTube登録者11万人。 個人的な視点で語るアニメ批評です。

どうもみなさん、5月はいかがお過ごしでしたでしょうか。
毎月恒例、5月に見た個人的アニメ&実写ランキングです。
5月はアニメだけでなく、実写映画、実写ドラマまで混ざる、
なかなか混沌とした月になりました。

5月

今月は、聖☆おにいさんとアンダーニンジャという、
アニメ版と実写版の両方を見る流れになった作品がありました。
同じ原作でも、アニメと実写でここまで印象が変わるのか。

実写化とは何なのか。
原作を映像化するということは、何を残して、何を変えることなのか。
そんなことを考えさせられる月でもありました。

「爆弾」をきっかけに実写邦画に希望を見出し、
そこから5月にはサカモトデイズを見て、福田監督作品に絶望し、
アンダーニンジャ、聖☆おにいさんを見るという、
実写がかなり多い月になってしまいました。

アニメレビューブログとしてそれはどうなんだ?と思いつつ、
ついでに見た「地獄に堕ちるわよ」のレビューも差し込み、
結果として、かなりカオスな5月になってしまいました。

そんな5月に見た個人的ランキングをやっていきましょう。

16位 聖☆おにいさん THE MOVIE〜ホーリーメンVS悪魔軍団〜

限界を超えた不愉快作品「聖☆おにいさん THE MOVIE〜ホーリーメンVS悪魔軍団〜」実写映画レビュー
評価 ☆☆☆☆☆(0点) 全93分あらすじ 世紀末を無事に乗り越えたイエスとブッダは、日本の四季折々を感じながら、福引を楽しんだり、お笑いコンビ「パンチとロン毛」を結成したりと、ゆるい日常を過ごしていた。 引用- Wikipedia

今月の最下位です。
つまらない作品はたくさんあります。
退屈な作品もあります。期待外れな作品もあります。
しかし、この作品はそういう段階を超えていました。
見ていて面白くないだけではなく、不快感が残る作品です。

原作の持つゆるさ、宗教ネタの危うさをギリギリで笑いに変えるバランス、
ブッダとイエスというキャラクターだからこその日常感。
そういったものが、ことごとく失われていました。
残っているのは、豪華俳優を使った内輪ノリと、
原作の空気を借りただけのおゆうぎ会。

そこまでなら、よくある残念な実写化映画で済んだかもしれません。
しかし、この作品はなぜか福田監督のオリジナル作品である「女子ーズ」を、
聖☆おにいさんの実写映画にねじ込んできます。

これはさすがに、ちょっとあり得ないことをしてしまっています。
他者の原作を借りている作品でありながら、
そこに自分の過去作を混ぜ込むという行為には、
原作の私物化に近いものを感じてしまいました。

原作の空気を壊すだけなら、まだ失敗作で済みます。
しかし、この映画には原作への敬意よりも、
作り手側のノリを見せられているような気持ち悪さがありました。

まさに、最悪を超えた不愉快な作品でした。

15位 アンダーニンジャ

最低最悪の実写化映画「アンダーニンジャ」実写化映画レビュー
評価 ☆☆☆☆☆(5点) 全123分あらすじ 太平洋戦争終結後、日本へ進駐したGHQが最初に命じたのは「忍者」組織の解体だった。それにより、忍者の存在は消滅したかに見えた。 引用- Wikipedia

実写映画版のアンダーニンジャです。
原作の持つ奇妙な空気感や、現代社会に忍者が潜んでいるという設定は、
一見すると実写向きにも見えます。

しかし、この作品も福田監督作品らしいノリや間の取り方が前に出ており、
アンダーニンジャという作品が持っていた乾いた笑いや不穏さが、
かなり別のものになっていました。

もちろん、1本の映画にまとめるために、
原作の省略や改変が必要になるのはわかります。

ただ、その省略や改変をしたうえで残っているものが、
作品の不気味さやシュールさではなく、
「いつもの」福田監督の寸劇やギャグ、
変顔になってしまっているのが厳しいところです。

アンダーニンジャは、本来もっと乾いた作品です。
笑えるけれど、どこか気味が悪い。
くだらないのに、妙に生々しい。
その独特な空気が、実写版ではかなり薄まっていました。

聖☆おにいさんとほぼ同時期に制作しており、
聖☆おにいさんに比べればマシではありますが、
どんぐりの背比べな作品でした。

14位 お気楽領主の楽しい領地防衛~生産系魔術で名もなき村を最強の城塞都市に~

お気軽マイクラ「お気楽領主の楽しい領地防衛~生産系魔術で名もなき村を最強の城塞都市に~ 」レビュー
評価 ★★☆☆☆(23点) 全12話あらすじ スクーデリア王国の貴族・フェルティオ侯爵家の四男として生まれ「神童」の呼び声も高かった主人公のヴァン。 引用- Wikipedia

いわゆるなろう系の領地経営ものです。
タイトルから想像できる通り、主人公が生産系の能力を使って
村を発展させていくタイプの作品です。
題材としては決して悪くありません。

ただ、どうしても既視感が強く、
主人公が優秀で、周囲が驚き、どんどん環境が整っていく。
見ていて大きなストレスはないものの、
逆に言えば印象に残る部分も少ない作品でした。

こういう作品は、領地が発展していく気持ちよさや、
キャラクター同士の掛け合いがどれだけ魅力的かで印象が変わります。
しかし、本作はそこまで突き抜けたものがなく、
キャラクターを持て余していたり、設定の詰めが甘かったりと、
良くも悪くも量産型のなろう作品という印象に収まってしまいました。

決して見られない作品ではありません。
ただ、この作品ならではの引っかかりが薄く、
見終わったあとに何かが残るタイプの作品ではありませんでした。

13位 Devil May Cry シーズン2

完全無勝の弱すぎる主人公「Devil May Cry シーズン2」レビュー
評価 ★★☆☆☆(20点) 全8話あらすじ 薄れゆく善と悪の境界線。壮大な戦いの火ぶたが切られるとき、世界を救う 引用- Wikipedia

あのデビルメイクライのアニメ化作品のSeason2で、
Netflixオリジナルアニメとして制作されました。

Season1の時点でかなり問題のある作品だったのですが、
その問題がSeason2で治るどころか悪化しており、
びっくりするほど弱い主人公「ダンテ」が負け続けます。

最初から最後までモブ敵以外に勝つことがなく、
負け続け、負け続け、最後のボスも他人任せで終わります。
デビルメイクライという作品に求めている爽快感や、
ダンテというキャラクターのかっこよさが、ほとんど感じられません。

そのうえ、チープな兄弟愛、チープな恋愛模様を見せられ、
Season2で話がスッキリと終わるわけでもない。
Season3があるかはわかりませんが、
どうにもよくわからないアニメ化になってしまっていました。

12位 真夜中ハートチューン

五等分の百番煎じ「真夜中ハートチューン」レビュー
評価 ★☆☆☆☆(15点) 全12話あらすじ 深夜1人ベッドの上――キミの声だけが救いだった。財閥の御曹司であり、全てにおいて完璧を目指す山吹有栖は、100%完璧になるために必要な『あと1%』を探している。 引用- Wikipedia

マガジン特有の後追いラブコメであり、
5等分の花嫁的ななにかでしかありません。
声しか知らないヒロインを探す主人公。
似た声のヒロインは5人いて、誰が主人公が探しているヒロインなのか。

そんなミステリー的な要素を組み込んだ、
5等分の花嫁的な作品であり、それ以上でもそれ以下でもありません。

アナウンサー、声優、VTuber、歌手。
それぞれのヒロインが声のプロを目指しているのですが、
肝心の作画が死んでいます。

5等分の花嫁も1期は作画が悪かったのですが、
そんな部分まで後追いしなくても…と思う作品でした。
ラブコメとしての型はあります。
ただ、その型を超えてくるだけの絵の力やキャラクターの魅力が、
現時点では少し足りない作品でした。

11位 SAKAMOTO DAYS

ちょっと豪華な学芸会「SAKAMOTO DAYS」実写映画レビュー
評価 ★★☆☆☆(30点) 全128分あらすじ かつて「史上最強」と恐れられた殺し屋・坂本太郎は、コンビニで働く女性・葵に一目ぼれして恋に落ち、殺し屋をあっさりと引退する 引用- Wikipedia

サカモトデイズの実写映画作品でした。
監督は福田監督。
そんな福田監督らしいギャグは、今作では確かに抑えられており、
ここ最近の聖☆おにいさんやアンダーニンジャに比べれば、
ずいぶんとマシなほうです。

しかし、問題はギャグだけではありません。
サカモトデイズという作品において重要なのは、やはりアクションです。
そのアクションシーン自体も主演の目黒蓮さんだからこそ見られるというだけで、
アクションシーンそのものに圧倒されるほどのすごさがあるわけではありません。

原作の意図の汲み取りも甘いせいで、
まるで早朝のような遊園地での戦闘シーンには、
笑いすらこみ上げてくるほどでした。

終盤のシリアスな戦闘の中で、
いつもの福田監督ギャグを入れてくるのも厳しいところです。
過去の福田監督のギャグまみれの作品は、
最初から最後までがっかりしている感じがあったのですが、
今作は「今回はそこまで悪くないかも…?」と感じさせておいてからの、
あのギャグシーンでした。

だからこそ、余計にダメージが大きい。
キャストが悪くなかっただけに、べつの監督だったら、
印象は大きく違ったかもしれません。

10位 地獄に堕ちるわよ

騙され地獄「地獄に堕ちるわよ」レビュー
評価 ★★☆☆☆(30点) 全9話あらすじ 戦後の混乱期、どん底の生活から這い上がるため、若き日の細木数子は夜の世界へ身を投じ、天性の才覚で20代にして銀座で成功を収めるが、その裏では多くの裏切りや喪失を経験する。引用- Wikipedia

Netflixオリジナルドラマとして制作された本作品。
細木数子という人物を扱った作品です。

私と同世代、あるいは少し上の世代にとって、
細木数子という存在はかなり強烈だったと思います。
テレビに出れば空気を支配し、本は大量に売れ、
あの時代のスピリチュアルブームを象徴する一人でもありました。

だからこそ、題材としては非常に興味深いです。
一人の人物を通して、時代の空気やテレビの怖さ、
信じることと騙されることの曖昧さを描ける題材でもあります。

ただ、その興味深さを超えてくるほどの面白さはありませんでした。
序盤から中盤までかったるい展開が続き、
終盤でようやく面白くなるのですが、
そこからダイジェスト的にあっさりと終わってしまいます。

キャストに関しても合っていないと感じる人もおり、
題材の強さに対して、作品としての踏み込みが物足りない。
結果として、すっきりとしない作品でした。

9位 転生したらドラゴンの卵だった~最強以外目指さねぇ~

振り返り地獄「転生したらドラゴンの卵だった~最強以外目指さねぇ~」アニメレビュー
評価 ★★☆☆☆(23点) 全12話あらすじ 目が覚めると、そこは見知らぬ森だった。どうやらここは俺の知らないファンタジー世界らしい。周囲を見渡せば、おっかない異形の魔獣だらけ。 引用- Wikipedia

タイトルの時点で、かなりわかりやすいなろう系作品です。
主人公が最初から人間ではなくドラゴンの卵という点に個性がありますが、
そのドラゴンの卵状態が10分で終わってしまいます。

人外転生ものとして、どう成長していくのか。
どんな進化をしていくのか。
そのあたりの面白さが薄く、ダラダラとした展開が続き、
終盤でようやく面白くなってきたところで、
1クールが終わってしまいます。

悪くない部分もあるのですが、あくまで悪くない止まり。
2クールくらいかけてストーリーを描けば違ったかもしれませんが、
1クールという区切りを意識したストーリー構成が下手で、
終盤になると毎話、冒頭で長い振り返りがあるのも厳しい作品でした。

素材は悪くありません。
ただ、アニメとしてどこを見せたいのかがぼやけており、
せっかくの人外転生という個性を活かしきれないまま終わってしまった印象です。

8位 聖☆おにいさん アニメ映画版

禁忌のアニメ映画「聖☆おにいさん」レビュー
評価 ★★★☆☆(40点) 全90分あらすじ 世紀末を無事に乗り越えたブッダとイエスが有休を取得して下界でのバカンスを満喫しようと、日本の東京都立川の安アパート「松田ハイツ」の一室に居を構え、「聖」(せい)という名字でルームシェアして暮らす...

聖☆おにいさんのアニメ映画版です。
派手な事件が起きるわけではありません。
ブッダとイエスが立川で暮らしている。
ただそれだけの作品です。

しかし、そのただそれだけの空気感こそが、
聖☆おにいさんの魅力でもあります。
宗教ネタを扱いながらも、攻撃的になりすぎず、ゆるく、日常の中に落とし込む。
そのバランス感覚は自然であり、悪くないアニメ映画です。

大傑作というわけではありません。
ただ、原作の空気を映像化するという意味では、
実写映画版よりもはるかに誠実な作品でした。

ただ、これを映画館で見たいか?というと別の話で、
家で見るからこそある程度許容できる作品です。
映画としての満足度は高くありませんが、
聖☆おにいさんらしさはきちんと残っていました。

7位 聖☆おにいさん 実写ドラマ版

終末前夜「聖☆おにいさん」実写ドラマレビュー
評価 ★★★☆☆(50点) 全30話あらすじ イエスとブッダが東京・立川のアパートでルームシェアをしながら下界でのバカンスを楽しんでいる 引用- Wikipedia

実写ドラマ版の聖☆おにいさんです。
映画版よりも、こちらのほうがまだ聖☆おにいさんとして見られました。
短い尺で、ブッダとイエスの日常を描く。
大きな物語を作りすぎず、部屋の中や立川の日常でゆるく笑わせる。
この形式は、実写との相性も悪くありません。

もちろん、実写ならではのノリや癖はあります。
原作の切れ味とも言うべき部分は落ちており、
これは漫画という媒体と映像という媒体の違いも大きいでしょう。

それでも、映画版のように大きな物語を無理に作ったり、
豪華俳優の内輪ノリに寄りすぎたりするよりは、
ドラマ版のほうがずっと見やすく、悪くない実写化だったと感じます。

むしろ、聖☆おにいさんを実写でやるなら、
このくらいの規模感がちょうどよかったのかもしれません。
だからこそ、映画のほうはどうしてああなってしまったのかと
頭を抱えてしまう作品でもあります。

6位 アンダーニンジャ

使い捨ての主人公「アンダーニンジャ」レビュー
『アンダーニンジャ』は、現代日本に潜む忍者たちの戦いを描いた異色作。石を投げれば忍者に当たる世界で、主人公すら使い捨てられていく儚さと、淡々とした狂気が魅力のアニメをレビュー

アニメ版のアンダーニンジャです。
実写版と比べると、やはりこちらのほうが作品の空気に合っていました。
現代社会の中に忍者がいる。
でも、その存在はどこか間抜けで、どこか不気味で、妙に生々しい。
この独特な空気感は、アニメのほうがきちんと再現されていました。

淡々とした会話、シュールな間、不穏な空気。
そういった要素がきちんと残っており、
アンダーニンジャという作品のクセを味わえる仕上がりになっていました。
もちろん、誰にでもおすすめしやすい作品ではありません。
人を選ぶ作品です。

ただ、その人を選ぶ部分こそが魅力でもあります。
諸行無常な現代忍者たちの生き様。
それが1クールで描かれており、
ラストの衝撃が作品自体の強烈なインパクトに繋がります。

実写版を見たあとだからこそ、
アニメ版のバランスの良さがより印象に残りました。

5位 魔術師クノンは見えている

時代に逆らう?女尊男卑な主人公「魔術師クノンは見えている」レビュー
評価 ★★★☆☆(59点) 全12話あらすじ 生まれながら目が見えない侯爵家の次男クノン・グリオン。それでも、魔術を習い始めて僅か五ヵ月で教師の実力を追い越すほどの天才魔術師 引用- Wikipedia

今月のなろう系作品の中では、かなり好印象でした。
目が見えない主人公が、魔術によって世界を見ようとする。
この導入だけで、他のなろう系とは少し違う魅力があります。

単純なチートで無双するのではなく、
自分に足りないものを補うために魔術を学び、
その過程で才能を発揮していく。
この成長の描き方がかなり良かったです。

主人公の前向きさも見やすく、嫌味な感じが少ないどころか、
とんでもないナンパ野郎であり、女性と見れば褒めちぎり、称賛しまくる。
それがギャグになり、キャラの魅力にもなっています。

中盤からは世界自体がガラリと変化し、
この先どうなるか?というところで終わっているのは残念です。
派手さはそこまでありませんが、
なろう系作品の中でもきちんと個性があり、堅実に面白い作品でした。

4位 姫様“拷問”の時間です 第2期

最高の拷問「姫様“拷問”の時間です 第2期」レビュー
評価 ★★★☆☆(59点) 全12話あらすじ 国王軍と魔王軍が衝突をはじめ、幾年月。王女にして、国王軍第三騎士団“騎士団長”である姫は、魔王軍によって囚われの身となっていた。 引用- Wikipedia

1期から2年ぶりの2期となりました。
安定して面白い作品です。

タイトルだけ見ると物騒ですが、実際に描かれるのは甘美なる誘惑です。
美味しいご飯、楽しい遊び、あたたかい時間。
姫様は毎回あっさり屈してしまいます。
2期になっても、その面白さは変わっていません。

むしろ、キャラクターたちの関係性が積み重なっているぶん、
1期よりも安定して見られる作品になっていました。
この作品のすごいところは、同じことを繰り返しているようで、
マンネリが生まれないところです。

豊富なサブキャラがしっかりキャラ立ちしており、
そのキャラクターたちが増えることで、
拷問という名のご褒美のバリエーションも広がっていきます。
結果として、同じ構造なのに飽きない面白さが生まれています。

悪人がいない。嫌な気持ちにならない。
ただ、見ているだけで少し幸せになる。
そういう意味では、今の時代にかなり貴重な日常系コメディであり、
3期、4期と続いてほしいと感じる作品でした。

3位 ダーウィン事変

ようこそ思想のるつぼへ「ダーウィン事変」レビュー
評価 ★★★★☆(60点) 全13話あらすじ 15年前、動物解放を求めてテロ活動を繰り返している「ALA」(動物解放同盟)によって、実験動物にされていたチンパンジーが連れ出され、近所の動物病院で出産した。その赤子は、遺伝子操作によって作り出...

今月の中でも、かなり印象に残った作品です。
人間とは何か。動物とは何か。知性とは何か。
社会は異物をどう扱うのか。

そういった重いテーマを扱いながら、
エンタメとしても見せようとしている作品でした。
題材に引き込む力があり、見ている側にも考えることを求めてきます。
単純に楽しい作品ではありません。
むしろ、見ていて苦しくなる部分もあります。

人間とチンパンジーのハーフが生まれたらどうなるのか。
彼を巡る社会の変化、彼を利用しようとする人類のエゴ。
その中で主人公は何を思うのか。

この作品は、ただ珍しい設定を見せているだけではありません。
異物を前にした社会の反応や、正義を掲げる人間の危うさ、
そして人間という生き物の身勝手さまで描こうとしています。

社会派の作品としての見応えがあり、
どこか浦沢直樹さんの作品を彷彿とさせるような重厚さと、
物語の強烈な引きが、圧倒的に記憶に残る一本でした。

2位 トランスフォーマー/ONE

最高の前日譚「トランスフォーマー/ONE」レビュー
評価 ★★★★☆(68点) 全105分あらすじ トランスフォーマーたちの故郷であるサイバトロン星で繰り広げられる戦いを舞台に、若かりし頃のトランスフォーマーたちの友情とトランスフォーム(変形)能力の起源を描き出す。 引用- Wikipedi...

トランスフォーマーというシリーズに対して、
そこまで強い思い入れがない人でも楽しめる作品でした。

ある意味、全てのトランスフォーマー作品の前日譚。
オプティマスプライムとメガトロン。
彼らが最初から敵同士だったわけではなく、
どのようにして今の関係になっていったのか。

その始まりを描く作品として、
非常にわかりやすく、熱く、見応えがありました。
映像も派手で、アクションも気持ちよく、
それでいて、物語の核には友情とその決裂があります。

実はかなり王道のドラマをやっている作品であり、
見終わったあとに、トランスフォーマーというシリーズをもっと見たくなる。
前日譚なのに、この前日譚の続編を見たくなる面白さがありました。

シリーズの中ではあまりヒットしなかった作品でしたが、
必ずしも興行収入が面白さとイコールにはならない。
そんなことを改めて感じさせてくれた作品です。

1位 メダリスト 第2期

スポ魂アニメの原液「メダリスト 第2期」レビュー
評価 ★★★★★(80点) 全9話あらすじ バッジテスト6級にも合格したいのりは、全日本フィギュアスケートノービス選手権のノービスAへの予選、中部ブロック大会にエントリーする。 引用- Wikipedia

映画化も決まったメダリストの第二期。
1期と同様に、スポ根アニメとしての熱さがあります。
競技に向き合う真剣さ。才能と努力。憧れと現実。子どもと大人の関係。
そういった要素が、真正面から描かれています。

最近のアニメは、どこかスマートだったり、効率的だったり、
斜に構えた作品も多いです。
しかし、この作品は違います。
泥臭く、熱く、まっすぐです。
だからこそ刺さる作品になっています。

スケートという競技の美しさだけではなく、
その裏にある努力や痛み、悔しさ、成長をきちんと描いており、
キャラクターたちが本気だからこそ、
見ているこちらも本気で応援したくなります。

2期では一気にキャラが増えます。
本来なら、そこで物語が散らかってしまってもおかしくありません。
しかし、この作品は新しいキャラクターたちにもきちんとドラマがあり、
それぞれがスケートに向き合う理由を持っています。

主人公だけが頑張っているわけではない。
誰もが自分の現実と向き合いながら、
それでも氷の上に立とうとしている。
その積み重ねがあるからこそ、試合の一つ一つに重みが生まれています。

1期で感じた熱さをそのままに、
作品世界の広がりと競技としての厳しさが増した2期でした。
映画ではどんな演技を見せてくれるのか。
純粋に期待したい作品です。

総評:実写と二次元

5月は、かなり落差の激しい月でした。
最下位付近には、実写化の難しさを感じる作品が並びました。
特に聖☆おにいさん THE MOVIEは、
今月どころか今まで見た実写化映画の中でもワーストを争うレベルです。

ただ、一口に実写化がダメという話でもありません。
聖☆おにいさんの実写ドラマ版は、形式を絞ったことでまだ見やすく、
サカモトデイズもキャスト面では悪くありませんでした。
問題は、実写化することそのものではなく、
何を残して、何を変えるのかという判断なのだと思います。

一方で、1位から5位あたりはかなり充実していました。
魔術師クノンは見えているは、なろう系の中でもきちんと個性があり、
姫様“拷問”の時間です 第2期は相変わらずの安心感。
ダーウィン事変は社会派作品として印象に残り、
トランスフォーマー/ONEは王道エンタメとして非常に良かったです。

そして、1位のメダリストは別格でした。
こうして並べてみると、5月は実写化への不満と、
アニメの底力を同時に感じる月だったように思えます。

同じ原作でも、映像化の仕方ひとつで印象は大きく変わる。
原作の何を面白いと感じているのか。
それを理解しているかどうかで、
アニメ化も実写化も大きく変わるのだと思います。

実写映画はこれまで積極的にレビューしてきていませんでしたが、
今後は実写作品も積極的にレビューしていこうと思います。

6月には春アニメも終わり始めますので、
今月も気合を入れてやっていきたいと思います。
それではみなさん、また来月のランキングでお会いしましょう。

Related Reviews
同じジャンルのアニメレビュー

「アニメコラム」に近い作品を、あわせて読めるレビューとしてまとめました。